J.H.倶楽部

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月刊 人材教育 2017年10月号

社労士が斬る イマドキお悩み相談 第31回 勤務中の“おやつ”の取り扱いは?

働く人の価値観の多様化から「働き方」も変化し、現場の管理職の悩みも“イマドキ”なものになってきています。
そんなイマドキな悩みの解決方法を、社労士の藤原先生が紹介します。


藤原英理(ふじわら えり)氏
あおば社会保険労務士法人代表。東京大学大学院修了後、大手製薬会社で研究職に従事。93 ~97年米国在住。帰国後、2000年大手証券会社に入社。社会保険労務士、CFPの資格取得。03年に独立、04年から現職。

[文] = 柳本友幸 [イラスト] = 秋葉 あきこ

第31回 勤務中の“ おやつ” の取り扱いは?

仕事中によくお菓子を食べている社員がいる。1人で飴やガムを食べるのならいいが、時にはスナック菓子を仲間で分け合ったりしていて、私語も多くなりがちだ。仕事の成果はきちんと出しているし、厳しく取り締まるようなことでもないと思うが、タイムカードを切って休憩時間にさせたほうがいい気もする。どうすればいいだろうか。

休憩時間に当たるかどうか

勤務中のおやつや雑談など、ちょっとした息抜きや気分転換がどの程度許されるかというのは、実はなかなか難しい問題です。法律的な観点からは、労働時間とは「会社の指揮命令下にある時間」のことをいうので、業務時間中にお菓子を食べたり雑談したりというひと時は、必ずしも休憩時間とは言い切れないからです。逆に休憩時間は、労働者が権利として労働から離れられる時間ですので、休憩中の人に業務の指示などをすることはできません。

つまり、デスクでお菓子を食べて小休止する時間を「休憩時間」と見なすのであれば、その従業員には仕事の指示や依頼をできないことになります。しかし、こうした小休止の時に仕事の話をすることも多いでしょうから、これを休憩時間と見なすことにも疑問が残ります。

就業時間と休憩時間の区分でよく問題になるのが喫煙ですが、業務時間中であれば、喫煙スペースにタバコを吸いに行く時間も当然、休憩時間ではなく、業務時間になります。おそらく、多くの喫煙者の方は、喫煙スペースへの移動中や喫煙中に仕事のことを考えていたり、携帯電話で取引先と話していたり、喫煙中に呼び出されてすぐにデスクに戻ったりするでしょうから、休憩時間とは捉えていないのではないでしょうか。

喫煙に行く時間については全てを休憩時間とするルールを設けている職場もありますが、業務時間と休憩時間を厳密に分けて実施するのは簡単なことではありません。

禁止するべきか

飲食の場合も、休憩時間以外は禁止とする就業規則を目にすることがあります。例えば、受付業務や接客業務に従事している方であれば、業務中の飲食を禁止することは合理的です。もちろん、業務時間中の喫煙を禁ずるという規則も有効です。つまり、休憩時間と見なすのは難しいグレーゾーンについては、根本的に禁止してしまうという対策を取るということです。

一方、一般的な事務職であれば、自席での飲食が一定程度許容されているのが実態だと思います。ちょっと小腹が空いた時にお菓子類を食べたり、お茶や清涼飲料水を飲むといったことは、普通に行われているのではないでしょうか。誰しも小休止ぐらいは必要で、小腹が空いたり喉が渇いたりした時に何か口に入れるのも、どちらかといえば生産性を向上させる効果があると思われます。

また、私語が全くない職場というのもまずないでしょう。職場のコミュニケーションの円滑化という意味からも、私語を禁止することはあまり意味がありません。

高い集中力を要する業務や、常に新しい発想・クリエイティビティが求められるような業務では、ある程度本人が自由にできる気分転換や、小休止があったほうが、生産性は高まるはずです。

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