企業事例 マツダ 管理者のEQを高める研修により 職場の「いきいき度」が改善し メンタル不調による休業も減少

自動車メーカーのマツダでは、安全健康活動を通して「自律型のいきいき職場づくり」を推進している。全社で行われたストレスチェックで「低モチベーション」と判定されたA本部は、メンタル疾患による休業発生率も高かった。そこで、管理者の感性を高めることで職場の活性化を図ろうと、アドバンテッジ リスクマネジメントが提供する「EQマネジメント研修」を導入した。保健師として導入を推進した石田恭子氏に話を聞いた。


石田恭子氏
マツダ
安全健康防災推進部
健康推進センター
保健師

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株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
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感性を高めることの重要性

マツダでは、職場活性化の指標として、毎年実施しているストレスチェックの結果から、組織の総合健康度(いきいき度)を判定している。2016年度のストレスチェックでは、多くの本部が最も良好な「活性化」と判定される中、A本部は「低モチベーション」と判定された。

「A本部はメンタル疾患による休業発生率も高く、事務所を訪ねても活気がなく、人と人とのつながりに希薄さを感じました。こうした状況を改善するには、管理者の感性を高めることが重要です。感性が高まれば、管理者は人と人とのつながりを大切にし、部下のやりがいを引き出すような言動をとるようになることが期待できます」(石田氏、以下同)

石田氏が採用したアドバンテッジリスク マネジメントのEQマネジメント研修は、「感情知能」と言われるEQ理論を用いた、管理者の感情マネジメント力の向上を目的とした研修である。

「人の行動は感情に左右されます。管理者は、感情の大切さを認識し、感情をうまく使ったマネジメントができることが重要です。EQマネジメント研修を通じて、自分自身の感情の状態を把握すること、そして相手の感情にも配慮したコミュニケーションがとれるようになれば、職場の活性化につながるのではないかと考えました」

研修実施にあたり、石田氏が重視したのは、A本部が現状に対して問題意識を持ち、主体的に研修に取り組むよう働きかけることだった。そこで、A本部の担当役員に企画を提案し、管理者の人に対する感性を高めることが最重要課題であるとの認識を共有したうえで、研修実施を決定した。対象者は、職場への影響力を考慮し、本部長以下、部下を持つ課長級の管理者25名とした。

効果を実感できる研修

研修の流れは次の通りである。まず、アセスメント(EQI行動特性検査)を行ったうえで、集合研修を実施する。集合研修では、自身の行動傾向を理解し、感情マネジメントによって行動を変えることを学ぶ。そのうえで、一人ひとりがアセスメント結果を参考に行動目標を立て、4カ月間職場で実践。その後、再度アセスメントを行ったうえで、フォローアップ研修を行う。

アセスメントのEQI行動特性検査は、人間関係に関わる自身の行動特性を知ることにより、自身のEQの状態を把握できる。EQIは、その能力を生み出す24の素養から構成され、全体のバランスが取れている状態が最も望ましいとされる。

「EQがアセスメントによって数値化されることで、納得感が得られやすく、また、研修前後に実施することで研修効果を実感できるため、研修の動機づけになりました」

初回研修からフォローアップまでの4カ月間は、「行動進捗管理シート」をもとに、1週間ごとに自分の行動を振り返り、自分や周囲の変化を書き込んでいく。記入されたシートは、月末に1カ月分をまとめて提出する。担当保健師の石田氏は、シートの内容を確認し、応援コメントや気づいたことをフィードバックした。シートの未提出者にはメールや電話などで働きかけ、提出率はほぼ100%だった。

「シートへの記入をきっかけに、周りの人たちの様子を日々しっかり観察し、言動を考えるようになった、という声も聞かれました」

フォローアップ研修後に実施した受講者アンケートでは、「非常に満足」が52.9%、「満足」が47.1%と高評価を得た。受講者からは、「管理者から行動を変えないといけない」「部下から声をかけられたり、『相談に乗ってください』が増えた」といった声が寄せられた。

研修後、1年が経過した時点で3回目のアセスメントを実施し、過去2回と合わせて組織の分析結果を比較した。すると、24素養の偏差値の向上とバランスの改善が認められたことから、EQ力向上に一定の効果があったと同社では見ている。

成功の3つのポイント

研修の成果と課題について、石田氏は次のように述べた。

「研修を実施した翌年のストレスチェックで、A本部のいきいき度が『低モチベーション』から『活性化』に改善しました。また、メンタル不調による休業の新規発生もなかった。これらの結果から、管理者の感性の向上やいきいき職場づくりに効果があったと言えます。今後は、多忙な管理者が意識を高く持ち続け、行動変容していくために、継続的な働きかけが必要だと考えています」

石田氏は、今回の活動のポイントとして、次の3点を挙げている。

①職場を巻き込む

活動の一方的な押しつけでは、職場は変わらない。職場の現状や人数、問題点をしっかり把握したうえで、組織のトップに働きかけ、問題意識を共有することで、その後の研修に対する職場の本気度が上がる。

②客観的指標の活用

抽象的で分かりづらい感性を数値化することで、研修の成果を見える化でき、日頃からデータをもとに仕事をしている社員に納得してもらうことができた。

③「 聴く」「実践する」「確認する」研修

「聴いて良かった」で終わる受講式の研修では、なかなか行動変容に結びつかない。聴くだけに終わらず、自己学習をはさみ、成果を確認することで、期待する行動変容に近づけることができた。

この成果を踏まえ、2017年度はフェーズ2として、対象者を係長職にまで広げ、同様の研修を実施している。A本部では、EQマネジメント研修の受講者の裾野を広げ、本部全体のEQ力を高めていく考えだ。

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