eラーニングの創造的破壊力 ついに始まった教育・研修の大転機

「eラーニングの進展により、企業教育・研修は今、大きな転機を迎えている」。そう話すのは、eラーニング最大手のネットラーニング代表取締役、岸田徹氏だ。同社のeラーニング利用者は約4000万人、導入法人は約5000社に上る。その実績から見えてくる、eラーニングが起こそうとしていることのインパクト、そして、ネットラーニングの今後の戦略について、岸田氏に聞いた。

岸田 徹氏
代表取締役
●お問い合わせ先
株式会社ネットラーニング
〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-2-4
新宿喜楓ビル3階
TEL:03-5338-7455
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E-mail:sales@netlearning.co.jp
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研修の「大転機」とは
従来、eラーニングと集合研修は、人材育成における別々の手法として捉えられてきた。しかし、昨今では、eラーニングと集合研修を組み合わせて、一体的に実施するケースが増えつつある。もちろん、集合研修の日数を減らすためにeラーニングを組み合わせるなど、効率性やコスト面を考慮した組み合わせ方は以前からあった。最近は、学習効果の観点から、eラーニングと組み合わせることで研修の中身を変えるという、より踏み込んだやり方が出てきているのだ。
「eラーニングと集合研修は、単なる組み合わせを超えて、『統合』され始めていると考えています」
今、学校などの教育現場では、「反転学習」と呼ばれる授業形態に移行しつつある。eラーニング技術の進展に伴い、従来、教室で行われてきた授業は自宅などでeラーニングで行い、教室は、より学びを深めるために、ディスカッションや演習など、協働学習やアクティブラーニングを行う場へと変わりつつあるのだ。岸田氏は、この動きを「統合」のひとつの兆しとして捉えている。
「反転学習によって授業のやり方が大きく変わったように、集合研修とeラーニングが統合されることによって、研修のやり方も大きく変わります。特徴的なことは、人から教わる“教育”が中心だった集合研修の場が、自ら学ぶ“学習”中心の場へと変わっていくことです。それに伴い、講師の役割も、従来の『教える』役割から、学びをトータルにコーディネートし、受講者を支援する役割へと変わります。こうした変化を踏まえ、ネットラーニングでは2010年から、集合教育・個別学習・協働学習を組み合わせた『ダイナミックラーニング』というコンセプトを提唱してきました」
教育現場に起きた変化は、企業研修においても急速に普及していくと岸田氏は見ている。
「私たちは現在、集合研修を提供する複数の企業とプロジェクトを進めています。今年から来年にかけて、こうしたダイナミックラーニング型の研修を実施する企業が、力を強めていくと考えています。それに伴い、現在はeラーニングと集合研修に分かれている市場が、今後は融合して一体化していくものと思われます」
「学習履歴」の統合がカギ
eラーニングと集合研修の統合が進む、もう1つの理由が、学習履歴の活用である。かつて、学習は個人任せのものだったが、eラーニングの登場で学習履歴が取得できるようになったことで、学習が“見える”ようになった。その結果、学びの共有や支援ができるようになり、一人ひとりに合わせた効果的・効率的な学習設計も可能になった。この学習履歴を、eラーニングにとどまらず、集合研修や実践の場などにおいても取得できるようになれば、それらのデータを統合することによって、より効果的な学習環境を構築することが可能になる。
さらに、これらの学習履歴をビッグデータとして活用するための仕組みとして注目されるのが、世界標準のCaliperだ。2016年、ネットラーニングは自社のLMS(ラーニング・マネジメント・システム)である「Multiverse®」にCaliperを実装した。Caliperの普及が進めば、世界中のプラットフォームやアプリから学習履歴データの収集が可能になる。eラーニングだけでなく、集合研修なども含めたより広範な学習履歴が収集可能になれば、学習履歴というビッグデータを分析・活用することで、個々の学習者に適した学習内容の提供が可能になる。
「あらゆる学習履歴を収集・分析して、最適な学習内容を提供していくという観点からも、eラーニングと集合研修の統合は進んでいくはずです」
新プラットフォームサービス

ネットラーニングでは、eラーニングと集合研修が統合する状況を見据え、「Multiverse®」を利用した全く新しいコンセプトのプラットフォームサービス「DynaSpace(ダイナスペース)」を、2018年4月にリリースする予定だ。
従来のLMSは、主にeラーニングの運営や学習履歴の管理をするものだったが、DynaSpaceは、eラーニングだけでなく集合研修などの学習履歴も管理できるようにする。具体的には、研修や実践の場で、合間に問題を解いたり、アンケートに答えたりといったことをスマートフォンやタブレットPCなどのデバイス上で行うことにより、それらのデータをDynaSpace上に記録し、蓄積していく。
「これにより、これまで見えなかった、研修での一人ひとりの学習状況が“見える化”されます。そして、事前学習・集合研修・実践・事後学習といった一連の流れにおける一人ひとりの学びを全てトラッキング(記録・分析)することで、学習と実践を直結させることができ、研修効果を一層高められるようになります。また、一人ひとりの学習履歴や実績・成果などのポートフォリオができるため、タレントマネジメントの強化にも貢献します」
同社では、この新たなプラットフォームを、集合研修会社に提供するほか、企業が社内で実施する集合研修のプラットフォームとしても提供していく考えだ。
「企業の育成担当者も研修ベンダーも、eラーニングと集合研修を統合したいという思いはあっても、それに十分応えられるプラットフォームがなく、双方を理解している人材もまだまだ少ないのが現状です。私たちは、DynaSpaceの提供とコンサルティングを通じて、eラーニングと集合研修の統合がうまく進むためのサポートをしていきたいと考えています」
およそ20年前、eラーニングの黎明期から、ネットラーニングは一貫してクラウド型(ASP)サービスを提供して学習履歴を蓄積し、教材・システム開発や学習支援に活かすことで学習効果を高めてきた。それだけに、来年4月にリリースされる新たなプラットフォームサービスにも、大いに期待したい。
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