セミナー・イベントレポートJECC seminar 2017採用ミスとは言わせない! 新入社員1年間の育て方新入社員と人事・受け入れ側の三位一体で「入社3カ月の壁」を突破する

新入社員が突き当たる、「入社3カ月の壁」。うまく乗り越えることができずに離職してしまう者も少なくない。こうした状況を受けて、行動理論改革モデル(行動を決定する判断の土台となる行動理論そのものを改革することで、行動自体を変え、定着させるモデル)を提唱するジェックが、新入社員育成をテーマに公開セミナーを行った。同社インストラクターの冨岡昭嘉氏がセミナーで語った内容を紹介する。


開催日:2017年2月9日
会場:TKPガーデンシティ竹橋
主催:株式会社ジェック

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押さえておきたい!新入社員の特徴と本音

厚生労働省が2016年10月に発表したデータによると、大学卒業後の3年間で離職する人は、31.9%に上ります。これが高校卒業後になると40%を超えます。本当に大きな問題になっている一方で、1年目、2年目、3年目の離職率に大きな差はありません。ということは、新入社員育成は「どの段階でも手を抜いてはいけない」ということです。

その中でも、重要となるのが入社3カ月間のフォローアップが離職を防ぐカギとなります。ほとんどの企業が1年間と捉えてフォローアップされていると思いますが、今回は、入社3カ月までの取り組みをご紹介します。入社3カ月になると「誰も助けてくれない。会社は冷たいところだ」「思い描いていたものと違う」などと考え、不安になってきます。これを放っておくと「もっと理想の環境があるんじゃないか」と考えてしまい、離職してしまうのです。これが「入社3カ月の壁」です。

これを乗り越えるためには、新入社員本人、現場(上司やメンター)、人事が三位一体で連動する必要があります。うまく三位一体で連動できれば、壁を乗り越えるだけでなく、早期戦力化にもつながりますので、これからお話しする内容を参考にしていただき、ぜひ取り組んでいってください。

私たちジェックでは、毎年新入社員の意識調査を行っています。さらに数多くの新入社員研修を担当させていただく中で、インストラクターの所感も蓄積されています。そこから見えてきた昨今の新入社員の意識傾向は、ずばり「隠れハングリー」です。

プラスの傾向としては「自己実現の意識がやや高い」「まじめで素直、学習意欲が高く器用」「周囲に協調する意識が強い」のですが、その他の傾向としては「リアルなコミュニケーションはやや苦手」「周囲の動きに敏感で、様子を見てしまう」「合格点主義で、全力を出さず“たとえ合格できなくても、許されるのであればそれでよい”と考える」といった特徴が見えてきています。周囲に認められたいという気持ちは強く、その意味ではハングリーです。しかし、周囲に合わせて様子を見る、気持ちを表面に出せないという、まさに「隠れハングリー」なんですね。彼ら・彼女らは「もっと声をかけてほしい」「仕事についてもっと細かく教えてほしい」と考え、焦っています。それに対して現場の本音は「早く慣れるために自分から積極的に話しかけてほしい」「まずは基本と規律を大事にしてほしい」と考えており、ギャップが生じています。

このギャップを放置しておくと、早期退職につながってしまいます。そこで新入社員育成も変わる必要があります。例えば、これまでの育成対象は新入社員でしたが、これからは新入社員+受け入れ側チーム全員と見るべきです。育成担当も人事+受け入れ側担当から、人事+受け入れ側チーム全体に変わります。本人、受け入れ側、そして人事のそれぞれが、それぞれの立場で「固定概念」を打破していく必要があるのです。

「組織で成長する」新入社員育成の5段階

組織が新入社員に期待することは、時間と共に次のように変わっていきます。

第1段階:「早く慣れてほしい」

第2段階:「企業人らしくあってほしい」

第3段階:「成果を出してほしい」

第4段階:「組織を上手に使ってほしい」

第5段階:「成長し続けてほしい」

入社から3カ月目までの期待は、主に第2段階までです。

期待されることは嬉しいものですが、応えられないと重荷になります。重荷になるとモチベーションが下がり、その原因は職場にあると考えてしまいがちです。これが最初の3カ月で陥りがちな落とし穴です。

これを防ぐためには、まず「入社3カ月の壁」を突破することを目標に、OJTを徹底します。

第1段階では

・会社の理念や方針を想いを込めて繰り返し伝える

・メッセンジャーレベルの仕事で、小さな成功体験を積ませる

・多くの社員と接することができる仕事を与える

第2段階では

・やるべきことの明確化としつけの徹底

・なぜこの仕事をするのかの背景を理解させる

・仕事に目標を持たせ、自分で達成するための管理をさせる

これが、第1段階、第2段階でなすべきことです。第3段階以降は、4カ月目以降から1年目、3年目までで十分です。

この5段階活用を、時間を区切ってしっかりと行っていくメリットは次の通りです。

・職場(上司・先輩)に何を期待されているのか、新入社員に対して何を期待して良いのかが分かる

・期待に応えることで、モチベーションが上がる

・さらに、次の段階に向けて自ら努力することができる

・それを新入社員・職場(上司・先輩)・人事が三位一体となって取り組むことができる

・「組織で成長する」体制で、全員の成長が加速する

最初の3カ月で実践するセルフ・ディベロップメント・シート

新入社員の成長をサポートする、重要なツールがあります。それがセルフ・ディベロップメント・シートです。これは自己成長を促進するための補助シートで、1段階/3カ月、全3段階(9カ月)で、成長の段階に沿って取り組み課題をレベルアップしていくものです。私たちの「新入社員基本能力体得コース」という研修の中で使用しているもので、課題を解決したら、それを定着させるために欠かせないシートです。

シートの目的は、5つの意識の確立(素直さ、積極性、責任感、チームワーク、規律・マナー)と、幼弱性傾向(自己中心性、依存性、観念性、逃避性)の打破です。

このシートを使って①現状把握(克服すべき幼弱性、意識調査結果)、②自分の目標(各段階の目標と実施項目)、③上司との面談(上司・メンターとの面談結果を記入)を行います。シートの目標設定は新入社員・上司・メンターの3者で話し合い、人事がオブザーブします。目標はチーム内で共有し、面談結果は人事も回収し、状況に応じて個別にサポートしていきます。このようにセルフ・ディベロップメント・シートは三位一体となって使うことができるものです。お問い合わせいただければシートの現物をご提供いたしますので、お気軽にお問い合わせください。ぜひこのシートを使って、「三位一体」で「3カ月の壁」を越えていっていただきたいと思います。

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