企業事例 シー・アイ・シー/しんきん保証基金/パーカー熱処理工業 参加企業が語る異業種交流型公開セミナーの魅力とは?

日本能率協会マネジメントセンター(以下、JMAM)は、異なる背景を持つ参加者同士が研鑽し合う異業種交流型の学びの場として、公開セミナー「JMAMビジネスカレッジ」を開催している。今回、ビジネスカレッジに参加した企業の人事担当者3名を招き、異業種交流の魅力について語っていただいた。
株式会社シー・アイ・シー
総務部 人事グループ
若林 宗氏
一般社団法人しんきん保証基金
総務部 審議役
戸部重和氏
パーカー熱処理工業株式会社
取締役 管理本部長
兼 総務部統括部長
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株式会社日本能率協会マネジメントセンター
研修ラーニング事業本部
JMAMビジネスカレッジ
〒103-6009 東京都中央区日本橋2-7-1
東京日本橋タワー10階
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● E-Mail:college@jmam.co.jp
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異業種交流で視野を広げる
─ビジネスカレッジを導入した理由を教えてください。
矢口
当社の場合は、「社員に、いろいろな業種の方と交流してほしい」というのが1番の理由です。社外のことを知らずに社員同士だけで仕事をしていると考え方が同質化してしまいますし、そうなると組織が硬直してしまいます。そうならないためにも異業種交流で刺激を受けてもらいたいという思いがありました。
「他の会社にはこんな考え方の人もいるんだ」という気づきのきっかけになればと思っています。
戸部
当社は階層別教育について、社内研修と公開セミナーの両方を活用しています。社内研修のみですとどうしても参加する顔ぶれが同じになってしまうため、新人や新任管理職などの節目のタイミングで公開セミナーに派遣することにより、他社の方と情報交換もできますし、視野も広がり刺激も受けられます。
若林
社内の人間だけでいると「当社の常識が、一般的には非常識」ということに気づかない可能性があります。そのため、社員には社内の研修だけでなく、外部の方と交流できる公開セミナーにも積極的に参加させていこうと考えました。
他社との切磋琢磨が刺激に
─3社の共通点はビジネスカレッジに新人を派遣していることですね。
若林
当社では毎年の新卒採用と共に、中途採用も行っています。中途採用者の多くが金融業界出身者になりますが、彼らはこれまでの社会人生活の中でしっかり教育を受けてきていて基礎は十分できていますので新卒採用者への教育を手厚くして、早く社会人としての基礎を身につけさせたいと思っています。
戸部
ビジネスカレッジには新人向けの良いプログラムがあるので、それを利用して、社会人としての基本を身につけてもらっています。
矢口
社会人をスタートさせた直後のタイミングで、まずしっかりと基本を身につけてもらいたいと思い、ビジネスカレッジに派遣しています。他社の新人の取り組み姿勢にとても刺激を受け、さらなる動機づけにつながっているようです。
─新人社員をビジネスカレッジのどのコースに派遣していますか?
戸部
「FSC-Ⅱ社会人基本実践コース」です。
矢口
「FBT新入社員基本行動トレーニング」(以下、FBT)です。当社の社風は、よく言えばアットホームな雰囲気ですが、円滑な人間関係を壊したくないために、言うべきことが言えない場合があります。
そのような中で、新入社員として社会に出るタイミングでは外部の人に基本の型をしっかり指導してもらうほうが良いのでは、という意見がありビジネスカレッジのFBTに参加するようになりました。
若林
当社も平成25年から、新入社員をFBTに派遣しています。それ以前は、若手社員の心が折れやすい、考えていることがあるのに積極的でないという様子を見て、社内でどのような教育が必要なのかを模索していました。その時に、同じような課題を解決するために、金融機関が積極的にFBTを導入していることを新聞で知ったことがきっかけで、当社も導入しました。
最近は、ハラスメントの問題もあり、厳しい指導を避ける傾向にありますが、外部研修の場で指導方法のトレーニングを積んだプロの講師からの働きかけであれば、そうした問題も心配ありません。
─FBTの参加者はどんな様子でしょうか?
若林
大抵、1日目が終わるととても大変だったと報告をしてきます。かなりしっかり指導していただいたんだなと感じています。2日目からは意識の変化も見られ、報告も前向きなものに変わってきます。
矢口
当社の参加者は、初めは大変だったと報告をしてくるのですが、途中から他社の方々であっても参加者同士で連帯感が出てくるようで、3日目には成長できたという達成感を得て帰ってきます。会社からも参加者からも評価が高いセミナーですね。
若林
我々自身も時には敢えて厳しく接する必要もあると思いますが、採用の時から顔を合わせているため、なかなか難しい面があります。そのような点からも、プロの講師にお願いすると、やはり効果があると感じています。
─FBTに限らず、ビジネスカレッジの参加者の反応はいかがですか。
矢口
やはりセミナーに参加するといろいろな刺激を受けるようで、その後の仕事への取り組み姿勢も変わりますね。
戸部
レポートを見ると「他業種のいろいろな人と話ができて良かった」という声が多いですね。そこが異業種交流の魅力だと思います。
環境づくりが人事の仕事
─今後の課題についてはいかがでしょうか。
矢口
研修後のフォローですね。セミナーに行ってしばらくは良いのですが、戻った後の継続的なフォローをどうするか。時間が経つと共に、社内の雰囲気に同化してしまいますので。
戸部
そうですね、研修後のことはどの会社でも課題になっていると思いますが、当社では実践で学んだことを活かす環境をつくりたいと思っています。立場が人を育てるといいますが、仕事上で「やりがいがあって、同時に厳しいこと、大変なこともある環境」をつくってあげることが必要ですし、人事の役割だと思います。
当社では積極的に海外進出をしているのですが、そこに若手を抜擢するというのも1つの方法ですね。もちろんリスクもありますし、まずは事業を成り立たせることが第1の目的ですが、事業と人材育成はセットになっていると思います。
社員が外部を知らずにずっと同じ部署にいると、本人には可能性があるのに、小さくまとまってしまう恐れがあると思っています。
乗り越えるべき壁を用意
─自部署のことしか知らない社員が殻を破り、レベルアップを図るという意味で、異業種交流はいかがでしょうか。
戸部
それは、もちろん有用だと思います。
若林
社内でローテーションがうまくできれば良いのですが、それぞれの部署の意向もありますので、難しいこともあります。有能な人ほど「動かされては困る」と各部署からプロテクトされる一方で、経営陣からはもっと大きく異動させるようにといった意見も出ますので、悩ましいところです。異動や部下を持った経験があまりないまま管理職になってしまうこともあり得ますので、視野が広がる異業種交流でマネジメントについて学んでもらうというのは良いことだと思っています。
矢口
同じ部署、慣れた仕事でうまくいっていると思っていたことが実は成長が止まった状態にあるということが考えられます。次なる目標に立ち向かうためにも、新しく課長の役割を担う節目に、マネジメントを学ぶだけでなく異業種のさまざまな背景を持つ人と接する経験をしてもらっています。参加者同士の相互フィードバックは他者のフィードバックを取り入れるだけでなく、自分の行動が周囲に対してどのような影響を与えているのかを考える機会となっているようです。アセスメントの結果で自分を見つめ直すことも課長としての行動課題への気づきに役立っています。
ビジネスカレッジへの期待
─ビジネスカレッジについてご意見やご要望があればお聞かせください。
若林
例えば「プレゼンテーション資料作成術コース」のように、ご案内いただくコースが非常に興味深いものが多いと感じています。状況に応じて、階層別研修などとうまく組み合わせながら今後も活用させていただきたいと思っています。
矢口
FBTと管理者基本コースを活用させてもらっていますが、他の階層でも導入を検討しています。受講者のフォローも含め更なる活用方法を知りたいと思っています。
戸部
グローバル化もあり、人を一堂に集めて社内で研修を行うことがどんどん、難しくなってきています。その意味でも開催時期が選べる公開セミナーのビジネスカレッジには、今後も期待しています。
─ありがとうございました。
JMAMビジネスカレッジは、参加者一人ひとりの気づきと成長を支援する公開セミナーだ。新たな考え方に「気づく」、職場で活かせる知識やスキルを「学べる」、業種、職種、世代、役職を超えた交流が「広がる」プログラムとして注目を集めている。新入社員から管理職向けまで、全32コースを用意。最近では、女性活躍推進のためのセミナーや、2.5時間でビジネススキルのエッセンスを学べるナイトセミナーも新設され、ますます多様なニーズに活用できそうだ。
企業には、多様な人材の活用とイノベーションの創出が求められている今、異業種交流が参加者にもたらす気づきがこれまで以上に重要だと言えるだろう。
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