「健康経営」を軸に持続的成長をめざすフジケミ東京の組織変革

戸建住宅の新築・リフォーム用塗料の販売及び、塗装コーディネートを柱に事業を拡張しているフジケミ東京。同社は「健康経営」を軸に、人材育成に注力し、組織変革の節目に組織診断なども活用しながら社会に貢献する組織づくりに取り組んでいる。今回、同社取締役会長の斎藤信也氏、代表取締役社長の塩野泰三氏、管理部部長の平野実氏の三氏に、同社の組織変革の軌跡と今後の人材育成についてお話を伺った。

フジケミ東京株式会社
右から、取締役会長 斎藤信也氏
代表取締役社長 塩野泰三氏
管理部部長 平野 実氏

フジケミ東京株式会社
1986年7月、藤倉化成の建築塗料事業部門が製・販分離され、販売専業会社として台東区東上野で事業開始。現在は、中央区日本橋にて藤倉化成が製造する販売総代理店として大手住宅メーカー用の外壁塗料の供給とリフォーム工事を請け負い、住宅のトータルサプライヤーをめざす。売上高85億円(2015年3月期)、従業員数60名(2015年4月)。

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健康経営をいち早く導入

フジケミ東京の経営基本方針である「企業姿勢」には、真っ先にこう記されている。「公正で誠実な事業活動を通じて、社会に有為且つ信頼される会社をめざす」

企業の社会的責任は、企業の存在価値が増すほど重くなってくる。フジケミ東京も設立から30年の節目を迎えた今、これまで以上に社会的責任を果たすべく組織の変革に取り組んでいる。

同社が現在推進するのが「健康経営」だ。これは、従業員一人ひとりの心身の健康こそが最も重要であり、それなくしては仕事もできないし社会貢献もなし得ないという考え方だ。その考え方に基づく打ち手の一端が、健康診断のオプションの充実、自己啓発費用の補助、社員フォローの一環として管理部長との話し合いの場の設定、女性用更衣室の改善などであり、これらの多くは、社員からの声に基づき実践されている。こうした健康経営の在り方は、社会的にも非常に注目を集めている。

持続的成長をめざした教育

そもそも同社が人材育成や組織づくりに注力し始めたのは、設立20年を迎えた2006年頃からだという。その背景について、取締役会長 斎藤信也氏は次のように述べる。

「設立から20年で事業の安定化ができましたので、次の10年は安定から持続的な成長へ進む時期だと判断しました。持続的な成長を支えるものは結局は人であり、教育である── そう考えたのです」

この時期に、入社以降第一線で活躍してきた人材が退職し、中途入社の人材が増えたという事情もあった。そこで経営方針や、教育計画、行動目標を明確にし、2006年から2011年までを組織の基礎づくりと位置づけて、人材の役割機能強化に乗り出す。他社社員と共に参加する公開コースを含む基礎研修を管理者、メンバーが受講し、それぞれの職における機能の向上をめざした。

企業の人財育成・経営変革を支援する株式会社ジェックの研修やセミナーを導入し始めたのもこの頃だ。実際に公開コースを受講したという管理部部長 平野実氏は、この時の体験を「他社の、自分と同じ階層の人たちが何を考えているのかが分かり、かなり刺激的でした」と述べる。

2010年には、「30周年を迎える2015年に売上100億を達成し、日本一の戸建て管理会社になる」という組織の目標を明確に定め、2011年には人事評価制度の改定に着手。2012年には次世代リーダー育成をめざした10年ビジョン創出を、2013年には新たな需要を創造する営業戦略を発想する「フジケミ社員成長プログラム」を、2014年には需要創造の実践促進を狙ってメーカー別の戦略プロジェクトを発足するなど、毎年コンセプトを決めて実務と人材育成を連動させた取り組みを進めてきた。

2010年以降は全社行動目標を個人に落とし込み、それぞれに行動目標を設定して、社長自らがヒアリングやフォローアップを行っている。代表取締役社長 塩野泰三氏は「全社員と面談し、目標の立て方や進捗に関してアドバイスしています。かなりの時間を割いて行っているのですが、それだけの効果はあると思っています。以前は受け身だった社員も、会社目標と連動する目標を持つことで参画意識が出てきたように思います」と述べる。

組織文化診断を実施

2015年には、ジェックの組織文化診断を導入した。これは「これまでの取り組みの成果を、30周年を目前にしたこのタイミングで確認しておきたかったため」(斎藤氏)

組織文化診断は「業績」と正の相関がある「3本軸」で組織文化を表し、見える化するというもの。アンケートとインタビューで現場の「強み」を発見、課題を掘り下げることができる。

組織文化診断の結果は、「上下の信頼関係・コミュニケーションは良好である」「会社の方向性や経営陣の姿勢が肯定的に捉えられている」「社員が安心して働いている」というもの。

この結果には「これまで取り組んできた施策や経営に自信が持てましたね。社員が伸び伸びと安心して、組織の方向性に沿って働くという姿は、まさに健康経営そのものです。これからも“やれる!”という感触を得ました」(斎藤氏)

診断結果についてはプラス面に着目し、現状の強みをどう活かすかが考えられている。診断結果は役員会で共有し、今後の打ち手の検証に活かしたり、創造部会で共有してビジョン実現の動きの参考にしたり、概略を全社員に報告したうえでミドルマネジャーと共有して育成・指導に活かしたりと、さまざまな形で活用されている。

さらなる健康経営へ

基礎固めの時期の総まとめを組織文化診断だとすれば、今後はさらに社会的責任を果たすための、能力アップ期に移る。具体的には、採用・育成、働く環境整備、事業部間の連携が課題だという。例えば、これまでは即戦力となる中途採用を中心に行ってきたが、戦略的な育成をめざして新卒採用を行い始めた。事業部間の連携や、環境の改善については、外部を巻き込みながら進めている。その1つが、施工を請け負う協力会との連携だ。協力会に対して安全、品質、CSに関する教育を年間を通じて行い、成果を上げている。

こうした一つひとつの打ち手の土台となる考え方が、健康経営だ。社員が健康でなければ、業績を上げ、社会に貢献することなどできない。

「社員には、仕事以外に夢中になれるものを見つけてくれと言っています。仕事以外の生活のリズムが整って、初めて仕事に対する向上心も生まれると思います」(斎藤氏)

健康経営を推し進めるフジケミ東京の取り組みに、今後も注目していきたい。

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