ダイバーシティコースの導入で女性活躍推進を垂直立ち上げ! デンソー事例

先進的な自動車技術、システム・製品を提供するグローバルな自動車部品メーカー、デンソー。
同社は、女性活躍の推進に日本能率協会マネジメントセンターが提供する「e ラーニングライ
ブラリ®」(以下、ライブラリ)を活用している。
今回、同社DP‒ ダイバーシティ推進室の北村雅美氏、下上貴子氏に、ライブラリの活用法についてお話を伺った。

DP- ダイバーシティ推進室
企画1課 担当係長
北村 雅美 氏
DP- ダイバーシティ推進室
企画1課長
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株式会社日本能率協会マネジメントセンター
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女性活躍推進を重要施策に
1949年に自動車の電装品メーカーとして設立し、現在はシステム提案力のあるグローバルな自動車部品メーカーとして知られるデンソー。近年は、自動車関連分野以外にも、住宅向けエネルギーマネジメントシステム(HEMS)や産業・医療用ロボット、農業支援システムなどの幅広い事業を展開している。
同社は、経営戦略としてダイバーシティ・マネジメントを取り入れている。多様で自立した個が国籍・性別・年齢・職位を超え、互いに高め合うことで新たな価値を生み出し、競争力を強化するという考え方で、その大きな柱の一つが、女性の活躍推進だ。
同社は、これまで女性総合職の採用が少なく、最近では両立支援制度の充実化によってライフイベントによる退職者は減ってきているものの、キャリア形成への支援はまだ浸透しておらず、結果として女性管理職が少ない状況であった。
そこで、2014年1月にDP(デンソープロジェクト)-ダイバーシティ推進室を立ち上げ、トップによる強いコミットメントのもと、当時33人だった女性管理職を2020年までに100人にする目標を掲げて、取り組みを進めている。
女性管理職を増やす施策について、DP-ダイバーシティ推進室の北村雅美氏は、次のように述べる。
「女性総合職の採用を増やす他に、大きく3つの視点で考えています。一つは職場・上司の意識改革。もう一つは女性自身の意識改革。
最後に、柔軟な働き方を実現する職場環境の整備です。その中の職場・上司の意識改革のために、ライブラリを活用しています」
同社はライブラリを導入し、女性部下を持つ管理職を対象に『ダイバーシティコース』を必須受講とした。導入の決め手となったのは、次のような点だったという。
「『ダイバーシティコース』の内容が当社の課題に合っていたこと、基礎知識とケーススタディから構成されてわかりやすいこと、場所や時間にとらわれずに学習できることがポイントでした。また、自社で開発するよりも外部の教材を使ったほうが説得力があり、費用対効果の面でもよいと判断しました」(北村氏)
ライブラリの活用法
同社は昨年11月に、女性活躍推進フォーラムを開催した。女性総合職約400人と、所属する部門の管理職(部長、室長、課長)約550人を対象に、社長みずからが女性活躍の重要性を説明し、「女性社員の育成は上司の責務である」と語ったのである。同時に、ライブラリについても「会社指定の必須教育」とアナウンスし、管理職に上司の自覚を促した直後に、「ダイバーシティコース」の受講を依頼した。
ライブラリの受講は「指名必須教育」と位置づけ、費用は全額会社負担とした。学習場所や方法は、本人の判断に任せている。受講期間は1カ月間としたが、実際にはアナウンス直後の最初の月曜日にほとんどの人が受講したという。それだけ、社長のメッセージが響いたということだろう。
「受講する・しない」については最終的には本人の判断に任せ、修了実績を評価に反映するようなことはしていない。受講期間の開始日から1カ月たっても未受講の人には、1度だけメールでフォローをしている。
対象者の自主性に任せている部分が比較的大きいが、それでもほとんど全員がしっかりと修了しているところは、努力や挑戦を大事にするデンソーの社風によるものだろう。
女性部下の育成計画を作成

ライブラリの受講後にも、“受けっぱなし”にさせない工夫がある。
「上司と女性部下の面談の機会を設け、育成計画を作成し、当社で重視するブレンディッド・ラーニングも実現できました」(北村氏)
受講した上司からは、「女性活躍の重要性を理解できた」「部下とのコミュニケーションに役立った」というコメントが多いという。このように上司側の理解が進んでから行った面談では、「自然に話ができてよかった」という声が、上司、女性部下の両方から挙がった。
面談の前に、DP-ダイバーシティ推進室がひと工夫したことも、功を奏した。その点について、DP-ダイバーシティ推進室の下上貴子氏は、こう説明する。
「面談にあたっては、事前に上司/部下の双方に、マニュアルを作って配布しました。結婚、出産、育児といったライフイベントについても話せる範囲で話してほしいと伝えました。普段はなかなか話しにくいテーマですが、きっかけを待っていた人にとっては、よい機会になったようです」
デンソー流ライブラリ活用のポイントは、次のように、まとめることができるだろう。
●「 女性活躍推進のため」という目的を明確にしたうえで、女性部下を持つ管理職を対象に「ダイバーシティコース」を必須受講
● 女性活躍推進フォーラムでライブラリ受講についてアナウンスし、その直後に学習を開始
● 受講後、女性部下との面談を通じて育成計画を作成
最後に、北村氏にライブラリを導入した感想と、今後の課題について伺った。
「ライブラリは、個々の能力向上ツールとしてはもとより、会社のメッセージを明確に伝えるためのツールとしても有効だと思います。今後は、実務職、技能職の女性活躍についてどのような施策を行うべきか、検討しているところです」
ダイバーシティ・マネジメントを経営戦略として位置づけ、女性活躍を推進しているデンソー。同社の今後のさらなる躍進に期待したい。
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